胃もたれとは
食べ物の消化が進まず、胃にたまった状態が続いて、重さ、苦しさ、膨満感、吐き気などの不快な症状を起こしている状態です。消化の悪い物を食べたなど日常的にも生じやすい症状ですが、胃がんをはじめとした深刻な疾患の症状として起こっている可能性もあります。慢性的に胃もたれが起こるようでしたら早めに消化器内科を受診してください。
受診の際の注意
胃もたれは、さまざまな状態を含んでいるため、胃の辺りが重苦しい、消化に時間がかかる、膨満感、胃の張り、吐き気やむかつきなど、より具体的に説明すると医師に伝わりやすくなります。
胃もたれの主な原因
日常的な理由によって生じる胃もたれには、食べ過ぎや飲み過ぎ、ストレス、加齢によるものが多くなっています。消化が悪いものを過剰に摂取する、就寝前に食事をするなども胃もたれの原因になります。ストレスは消化器のコントロールを行っている自律神経を乱して消化機能を低下させて胃もたれを生じやすくします。加齢も筋力や消化機能の低下によって胃もたれのリスク要因になります。
胃もたれを起こす疾患には、胃がん、ピロリ菌感染による慢性胃炎、機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などがあります。
胃がんは早期には症状に乏しく、進行しても胃もたれ程度の軽い症状しか起こさないことがあります。胃がんは早期発見によって完治も望めるようになってきましたが、現在でも罹患者数が多く注意が必要ながんです。
ピロリ菌感染は、炎症を慢性化させて胃がん発症リスクの高い萎縮性胃炎に進行させることがあります。除菌治療を成功させることで炎症の進行を効果的に抑制できますので、感染の可能性がある場合には検査で感染の有無を確かめましょう。なお、胃潰瘍や十二指腸潰瘍はピロリ菌感染していると発症しやすく、除菌治療を成功させることで潰瘍の再発も予防できます。
胃もたれがある場合の検査と診断
胃がんなど早急な治療が必要な疾患の有無を確かめるために、胃内視鏡検査が最も有効です。食道、胃、十二指腸の粘膜を詳細に観察できるため、微小な早期がんの発見が唯一可能な検査です。病変の組織を採取して病理検査を行うことで確定診断もできます。また、潰瘍などで出血していた場合にも、検査中に止血処置をすることができます。さらに検査中に採取した組織によってピロリ菌感染の有無を確かめることもできますので、陽性だった場合にはスムーズに除菌治療が可能になります。
当院では高度な観察が可能な最新の内視鏡システムを導入し、検査の研鑽を重ねてきた専門医・指導医が丁寧に検査しています。また、鎮静剤を用いることで楽に検査を受けていただけますので、安心していらしてください。
疾患が原因ではない胃もたれがある場合には、生活習慣の見直しが効果的です。食事内容やタイミング、とり方の改善、適度な有酸素運動の習慣化、十分な睡眠や休息などを心がけましょう。